物語を癒す
ひとは古くから神話を生み、伝承を伝え、物語を語ってきました。
あてどない現実のなかに自分をつなぎとめ、そこで生きていくために、
「物語」を必要としてきたのでしょう。
物語がなければ、世界は秩序がなく見通しもつかない、混沌とした場所になってしまいます。
物語はもちろん現代を生きるわたしたちにとっても、必要なものです。
しかし今日、そのことはあまり意識されていません。
たとえば「自分は望まれてこの世に生まれてきた」という物語。
そうした物語をもつことができないとき、ひとはこの世界に勇気や希望を持って歩き出すことが難しくなります。
わたしとは何なのか。
どうやって生きていけばよいのか。
なぜこのひとにであったのか。
なぜあのできごとは起こったのか。
なぜこんなに苦しい思いをしなくてはならないのか。
なぜつらくても死ぬまで生きなくてはならないのか。
こうした根源的な問いに答えを与えてくれるのも、物語です。
物語をもつことによって、ひとは、与えられた現実を自分のものとして引き受け、
そこに居場所をつくることができるようになります。
しかし物語はときに、歪んだり、硬直したり、力をなくしたりして、
その人の「いのち」にそぐわないものになることがあります。
自分のものではない、誰か別の人の物語を生きさせられることもあります。
たとえ自分にそぐわない物語であっても、ひとはなかなか簡単に手放すことはできません。
そんな物語でも、ないよりはましだからです。
わたしたちは、物語なしに生きてはいけないのです。
「かささぎ心理相談室」は、あなたにしっくりとなじむ物語をつくっていく手助けをするための場所です。
ゆったりとくつろいで、あなたをここまで支えてきてくれた物語を眺めてみませんか。
そして、もしその物語がいまのあなたにそぐわないものになっているなら、
物語を織りあげている糸を少しほどいて、またゆっくりと織りあげていきませんか。
まずは、あなたの物語を聴かせてください。
スタッフ
明 石 加 代 (臨床心理士)
玉 田 美 帆 (臨床心理士)
久 松 睦 典 (臨床心理士)
山 口 修 一 朗 (臨床心理士)
顧問
山 口 直 彦 (精神科医師・兵庫県こころのケアセンター)
横 山 博 (精神科医師・ユング派分析家・医療法人神甲会隈病院)
*神戸・芦屋のカウンセリングはかささぎ心理相談室