第一回公認心理師国家試験(2018)
先日(というのは2018年9月9日)、第一回公認心理師国家試験が実施されました。
全国で、七万人くらいの人が、受験したそうです。
今、履歴書を見直してみたら、私は平成10年に臨床心理士の資格を取得したらしいので、かれこれ20年くらい臨床心理士として仕事をしてきたようです。そういえば昨年、何回めかの資格更新の手続きをしました(臨床心理士は5年に1度、研修ポイントによって資格が更新されるかどうかということを判定されます)。
精神科の病院で最初に働き出したのは、阪神淡路大震災(平成7年)の翌年でした。それから何年かして、最初の精神保健福祉士の国家試験が実施されました。同僚のPSWさんたちは、仕事の後に現認者講習会(という名称だったかは忘れましたけれど)に参加していて、大変そうだなあと思った記憶があります。
同時期に心理職の国家資格化も検討されていましたが、なんだかんだと結局流れてしまいました(だいぶん端折っています)。
それから何十年か立って、ようやく「念願の」国家資格が誕生したわけですが、果たして心理の仕事をしている人々が願っていたような資格になっているのか、どうなんだろう、と思うところもあります。
でも、国家資格というものは、いろんな妥協や政治的駆け引きの産物であるのも確かです。
無事に合格できたら、という前提ですが、私たちも「公認心理師」としてどう働くか、ということを考えていかなくてはいけません。開業心理臨床だけならあまり関係ないとも言えますが、「病院でも仕事を続けたいし、スクールカウンセラーもやりがいのある仕事だし」と思っているので、医療や教育、福祉などの公的な分野で仕事をするからには、「公認心理師として」という自覚も必要になってくるのでしょう。
なんてことを考えながら、試験会場(関大でした)に向かったら、なんとまあたくさんの受験者がいることか。
ここ何十年か、試験といえば、自分が試験監督をするくらいしか体験していなかったので、「受験生」という立場はちょっと新鮮でした。
試験監督の厳しいインストラクションを神妙に聞いて、ピンピンに削った鉛筆と消しゴムを机に並べて、午前2時間、午後2時間、ひたすら丸を塗りつぶすという作業です。わからないのは「3番」ということにしておきました。
迷うのも嫌なので、ひととおり丸を塗ったらさっさと出て、大学内にあったスタバでお昼寝。この頃、どこの大学もスタバやコンビニがあって、便利だけどちょっと落ち着きません。
午後もなんとか乗り切って、さっさと帰って梅田の紀伊国屋で「公認心理師とは関係ない本」を何冊か衝動買いしました。
さっそく「解答速報」を出している業者さんもあったようで、大学の出口でチラシをいただいたのですが、アクセスしてもいっぱいで何も見れないので、「まあ終わったことはもういいや」とだらだら過ごしました。
翌朝は「解答速報」に繋がって、ちょっとだけ見直し。
解答を見ても納得いかない問題はたくさんありましたが、「まあ、受かってても落ちてても、どっちでもいいや」と改めて自分に言い聞かせて、読みたい本をめくっています。
来年の春には公認心理師が誕生するわけですが、そうなると病院や学校のカウンセラーは少し充実してくると予想されます(スクールカウンセラーの時給は下がるだろう、という意見は多いですが)。
病院や学校などの公的機関では、心理的援助にアクセスしやすくなるのではないでしょうか。
(合格すれば)公認心理師と臨床心理士のダブルホルダーとなるわけですが、臨床心理士資格が意味あるものとして残っていくためにも、私たちも努力しなければいけないことがあると考えています。
個人的には、開業カウンセラーへの影響が気になりはしますが、この度の国家資格化にあたっては、「開業カウンセラー(私設心理臨床)」はあまり考慮されていなさそうですので、それほど影響はないのかもしれません。
よりパーソナルな悩みや困りごとが、開業カウンセラーの扱う仕事となるのだろうと思っています。
公認心理師試験を受けての雑感でした。